ビヨンド結婚、ビヨンド不倫——。話題になったドラマ「Tシャツが乾くまで」を見て、主治医と私が考えたこと(その1)

話題となったドラマ「Tシャツが乾くまで」。私の主治医、新城拓也先生に勧められて見ていたら、「あ、これ自分だ」と共感してしまい、新城先生に対談を申し込みました。
岩永直子 2026.09.29
サポートメンバー限定

男女の新しい関係を提示して最近、話題になったドラマ「Tシャツが乾くまで(※)」、みなさんご覧になったでしょうか?

エアロバイクを漕ぎながらドラマや映画を見るのが日課になっている私に、主治医の新城拓也先生が勧めてくれて、見始めたら止まらなくなって一気見した作品です。

後半は「これ、自分のことを言っているんじゃないか」と唸ることが多く、見終えた当日、ちょうど診察を受けた新城先生に対談を申し込みました。

私たちがこのドラマを見て、考えたこととは?

※ネタバレいっぱい含みます。これから観ようと思っている方はご注意ください。

新城拓也先生。何気なく勧められましたが、私の様子を見て、「興味を持つのではないか」と思ったそうです

新城拓也先生。何気なく勧められましたが、私の様子を見て、「興味を持つのではないか」と思ったそうです

※TBS系列で2026年7月10日から9月11日まで放送されたテレビドラマ。蒼井優主演。生方美久脚本。ある日、二組の夫婦が事故に巻き込まれ、それがきっかけで、当たり前に続いていくと思っていた二組の夫婦の幸せな日常が、突如として崩れ去っていくことに。さらに、その事故が暴いたのは、愛する人の“第3金曜日の秘密”だった️——。

ビヨンド結婚、ビヨンド不倫

岩永 先生が勧めてくれたのは、最近話題になって面白いからということだと思っていたんです。私は最終回が放送される直前に教えてもらって、Netflixで一気見しました。視聴し続けているうちに、離婚して、新しい人間関係を模索している私の状況に重なるから勧めたのかと気づきました。

新城 それはそうですね。途中からそうなってきますね。このドラマは一つひとつのセリフに余白がきちんとあって、それも良かったですよね。観る者が伏線とその回収を考えなくてはならないなど、誰かの考察に頼るドラマは、疲れるし、面白くない。でも、このドラマは一つひとつの会話がゆっくり繋がりを持っていく。自然と頭に入っていきます。人間関係を言い当てる言葉を超えた関係という、現代的なテーマになるとは思っていなかったですけれども。

TBS金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」特設サイトより

TBS金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」特設サイトより

岩永 最初から片方の夫婦の妻が亡くなり、もう片方の夫婦の夫が失踪する特殊な設定のドラマです。自分とは全然関係ない、ストーリーの面白さで見せるドラマなのかと思って最初は見ていました。でも、新しい夫婦関係や人間関係をモチーフにしているのだと徐々に気づいていきました。先生はいつ頃から気づいていきましたか?

新城 これがただの不倫ドラマになってしまうと、2000年代初めに回帰してしまうわけですが、やはり話題を集めているだけあって、先を見通せるようなつまらない展開になるわけではないだろうとは思っていました。

「ビヨンド結婚(結婚を超えて)」「ビヨンド不倫(不倫を超えて)」みたいな、新たな可能性がちゃんと見える話ですよね。男性が女性を占有する旧来の男女関係ではない、独占の契約ではない人間関係があるとしたらどういう形があるのかなと思って見ていましたね。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、5656文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
過去に学び、次のパンデミックではより良い選択を
サポートメンバー限定
4年ぶりに帰ってきた「のんちゃんとコロナ」 引退した指揮者と感染症のス...
誰でも
患者の声が国を動かしてドラッグ・ラグを解消 卵巣がん体験者の会「スマイ...
誰でも
なぜラップで性教育? 若手男性医師が得意技で医療発信を始めたわけ
誰でも
「費用対効果が低いなら、なおさら公費でうてるようにして」 HPVワクチ...
サポートメンバー限定
ヘルプマークを付け始めて、考えたこと
サポートメンバー限定
「現状維持は不作為の罪を犯していること」変わらない日本で放置される救う...
サポートメンバー限定
「日本の予防接種の決め方には哲学がない」HPVワクチン、男性定期接種化...