依存症専門のオンラインメディア「Addiction Report」の発信を始めます!
みなさま、少しご無沙汰してしまいました。
実は、国内初の依存症専門のオンラインメディア「Addiction Report」の編集長となり、本日、このサイトが本格オープンするのです。
この数ヶ月、サイトの仕様の打ち合わせ、記者やカメラマンのスカウト、取材や記事執筆、編集など準備に追われていました。
Addiction Reportのトップ画面
医療記者の岩永直子が吟味・取材した情報を深掘りしてお届けします。サポートメンバーのご支援のおかげで多くの記事を無料で公開できています。品質や頻度を保つため、サポートいただける方はぜひ下記ボタンから月額のサポートメンバーをご検討ください。
病の中でも差別や偏見が根強い「依存症」
私は医療記者として長年、さまざまなテーマを取材してきましたが、さまざまな病の中でも、依存症は特に差別や偏見の目で見られがちだと感じてきました。
アルコールであれ、違法薬物であれ、ギャンブルであれ、依存して生活がままならなくなる人に対して、世間は「意志が弱い」「だらしない」という視線を投げつけます。
特に違法薬物で逮捕されたものなら、メディアやSNSは実名や顔写真を晒して二度と立ち上がれないほどに叩きのめします。仕事や学校からも放り出し、生活の糧を奪い、罪を償った後も二度と元の場所には戻れない社会的制裁を加えるのが常です。
その結果、当事者は孤立を深め、自暴自棄になり、再び薬物や薬物を使うコミュニティに頼るという、やりきれない負のスパイラルを何度も見てきました。
依存症になる背景に理解を
しかし、依存症から回復した人のこれまでの人生をじっくり聞くと、自分には全く責任がない過酷な生育歴があったり、依存物質や行為でしか人とつながれない環境があったり、複雑な背景があります。
そこを手当てすることこそが必要で、結果として現れた依存行為を罰したり非難したりしても、依存症からの回復には何も役に立たないことを理解する必要があります。
そもそも依存症は病気です。一般的に病気の人には治療を提供し、手を差し伸べるのが常識でしょう。それなのに、依存症だけは本人の意志の問題とされてしまう非科学的な精神論に、私はずっと疑問を抱いてきました。
しかも医療者ですら、依存症の患者には偏見を持っていることが少なくないのです。苦しい現実を乗り切る自己治療としての依存を紹介し、依存症の人に必要なのは刑罰ではなく回復支援だと訴える記事を出すたびに、見下げたようなコメントを投げつけてくる医療者にも、私はうんざりしてきました。
忖度なしで伝えるべきことを発信
そんな現状を変えたいと「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんから、「どんな組織にも忖度せず発信する新しいメディアを作りませんか?」と声をかけられ、私は迷うことなく賛同しました。
伝えるべきことを誰にも遠慮なく発信するため、スポンサーは入れず、運営費は寄付で賄います。
編集に関するあらゆる権限を与えられた私はまず、依存症に対する正確な理解がある書き手やカメラマン、プロジェクトマネジャーをスカウトしました。打ち合わせや取材・執筆を重ね、ようやくスタートラインに立つことができました。
本日2月3日、大手町で創刊記念イベント
本格オープンする2月3日は、午後2時から、東京・大手町の日経カンファレンスルーム(千代田区大手町1-3-7 日経ビル6階)で創刊記念イベントも開きます。
ドキュメンタリー映画『はりぼて』で有名なドキュメンタリー監督、五百旗頭幸男さんや俳優の高知東生さん、Addiction Reportプロデューサーの田中紀子さんと共に登壇し、「メディアのあるべき姿」をテーマに座談会をやります。
依存症に対してメディアが何を報じてきて、何を報じてこなかったのか。それをAddiction Reportはどう変えたいのか、話し合います。
Addiction Report
申し込み不要で参加費無料ですので、お時間がありましたらぜひご参加ください。
これから新しい記事をバンバン出していきますので、サイトもぜひ覗いてみてください。
新しい挑戦です。みなさま、ぜひ応援よろしくお願いします!
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