薬の供給不足問題を考える 各所への取材からみえた課題

こちらは東京保険医協会の機関誌「診療研究」の10月号に寄稿した記事です。同協会のご厚意により、転載いたします。
岩永直子 2023.10.10
サポートメンバー限定

昨年あたりから、SNSで全国の医師たちから「~が出荷調整になった。」「~が出荷停止になった。これじゃ診療できない」と薬の供給不足に危機感を示す叫びが頻繁に投稿されるようになった。

特定の診療科に偏っているわけではない。抗生物質、咳止め、解熱剤、抗アレルギー薬、不妊治療薬、抗がん剤――。そのうち街の薬局にも「薬の供給が間に合っていません」という張り紙が貼られるようになり、街中の一般市民の雑談でも「薬が不足しているよね」と不安な声が聞かれるようになった。

日本製薬団体連合会の調査によると、2023年7月時点で3811品目、全体の22.4%で供給停止や限定出荷などが続いている。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、6660文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
感染症対策は「医学」vs「社会」という構図で考えるべきではない 安易な...
サポートメンバー限定
「新型コロナは終わった」と言う人に今伝えたいこと
誰でも
中国で急増と報道、ヒトメタニューモウイルスって日本でも警戒すべきなの?...
サポートメンバー限定
【独立日記9】一人であって一人でない生き方を
誰でも
流行が始まっている新型コロナウイルス、新しい株の特徴は?インフルとの同...
誰でも
猛威を振るう季節性インフルエンザ、今シーズンの特徴は?
サポートメンバー限定
「30超えたら子宮摘出」発言の何が問題か 国の少子化対策会議の委員も務...
誰でも
インフルエンザと新型コロナが同時流行? ワクチンの誤情報どうする? 専...